2016年発表 ナノバブルの癌に対する効果を示した論文
2016年発表 オックスフォード大学の研究グループが発表した酸素ナノバブルの癌に対する抑制効果を示した論文を紹介します
この論文では、酸素ナノバブル投与による低酸素誘導因子HIF1aの抑制効果を示しました。HIF1aとは低酸素環境における生体の防御因子の一つです。しかし、これが癌に発現すると癌の悪性化に関与することが分かっています。
この論文では、まず水、酸素、界面活性剤などから数百μmレベルのナノバブルを作成しました。論文の前半では、酸素ナノバブルの検証を行っています。
続いて、この酸素ナノバブルをマウスに飲ませることで、マウスの血液中の酸素化が向上すること、がん細胞からのHIF1aの産生が抑制されることを示しています。
残念ながらこの論文のなかでは、マウスにナノバブルを飲水させることによるがん細胞縮小、死滅効果などまでは示されていませんでした。しかし、この論文により、酸素ナノバブルが癌の低酸素環境を改善することによりその悪性化を改善する可能性が示されました。
この論文の2年後2018年に日本の研究グープから添加物を使わないで極小のナノバブルを作成する技術が発表されました。この論文の詳細はこちら。